永遠のサボり魔

オーディオとかアイマスとかVTuberとかWEB小説に関する雑記

俺の妹がこんなに可愛いわけがない 第三巻


桐乃が書いたケータイ小説がなんか本になるんだって
もー、チョーびっくり!
でね、なんか桐乃……お兄さんとあそこにいったんだって!
アレ、その時に買って貰ったのかな
お兄さんって見たことないけど、渋谷系のイケメン?
ねえ、どうなのあやせ!





あれ?あらすじ書いてたはずなのに……まあいいや
詳しいあらすじはamazonとかどこかで読んでね☆

さてさて、感想感想

この3巻、読んでる最中にある言葉を思い出しました
アキバBlogでの伏見つかさ氏インタビュー全編(これ)での

伏見:いやもう、今回は本当に出ないかと思いました(汗)。

という台詞があらゆるシーンで思い出されましたね


いやもう、ほんと
よく出せたねこの本!
正直「ここまで書いちゃって良いの……?」と心配になりましたね!


さて、この3巻のテーマは「ケータイ小説」と「小説」と「作家のあり方」でしょうかね
ちなみに、「小説」には一次創作も二次創作も含んでいます
第一章はG's magazine4月号に掲載された内容なのでさらりとネタバレしますが
まさか商業誌で「逆行もの」「U-1」「スパシン」とか見るとは思いませんでしたね!
桐乃はエヴァナデシコKanon世代の二次創作をよく知っているな!
ああ……ほんとに凄かったぜ……
銀髪ロングでオッドアイで全身黒尽めの衣装で闇と光の力を操って窮地に立たされた女の子を救う相沢祐一
よくKanonをやってそんなキャラ想像できるな!マジ尊敬するわ!!
そしてそれを楽しく読んでた当時の私!
あああ、なんとう黒歴史最強さっちんの妄想とかやめてくれけもみみ生やしたアルトルージュの頬を染めさせようなんて考えないでくれいろんな中二SSの設定集めて「ぼくのかんがえたさいきょーくろすおーばー設定」とかわざわざhtmlで作らないでくれああああああああ


あー、えー、
まあ、そういう痛い過去を思い出させてくれる第一章でした……
ラノベ自体が中二要素満載で痛々しい想いをするのはたまにあるのですが……
ぼくと彼女に降る夜とか


さて、「ケータイ小説」についてですが
多少なりとも2ch見てたりする人はどこかで見たことあると思うのですが
恋空コピペは見たことありますかね?
とりあえず全文書いちゃおう……有名だし

恋空(笑)のあらすじ
嫌いだった不良男と付き合い始めるヒロイン→彼氏の二股発覚、彼氏は元カノを振る
→元カノが逆恨みし、知人の不良男たちにヒロインのレイプ指示
→ヒロイン、「私が汚れてるからSEXしないの」と彼氏に詰問
→「忘れさせてやる」と学校の図書室でSEX→彼の子供妊娠→元カノに押され、しりもちついて流産
→いきなりふられる→すぐに新しい彼が出来る→新カレはまじめで長くつきあい婚約までする
→前の彼がガンになってることを知ったヒロイン、新カレ捨てて元カレの所へ
→癌を知った元カレはシンナー吸って乱交パーティー→でも許す
→無菌室に入るような患者にガムを口移し
→→ガン闘病中で瀕死のはずの元カレと無理やり野外セックス
→彼死ぬ→なぜか、抗がん剤精子全滅だったはずの彼の子の妊娠発覚
→まあ将来とか考えてないけど、とりあえず産むわ
→全スイーツ(2500万人)が泣いた(終わり)

なんかやたらはてなに相応しくない単語が含まれてるけどおおむね事実だしなあ……
まあ、ケータイ小説はこういった物語なワケです
荒唐無稽極まりないですが、エロゲやラノベだって女子中高生が読んだら「ねーよwwwwwwwww」と感想を抱きそうな気がしますので、内容には言及しないでおきます


「恋空」はこのような物語で大ヒットとなりました
マーケティングがうまかった?
確かに、テレビなどの広告には目を見張るものがありました
しかし、それだけでは売れないと思うのです
セカンドライフがその例ですね。
大々的に宣伝したのにヒットしなかった
では何故「ケータイ小説」は流行ったのか
それはやはり、メインターゲットである女子中高生の心を掴んだから、だとおもいます


レイプや売春、堕胎などに憧れる心境はどうにも理解できないんですが
ケータイ小説」では大抵が「悲劇からの救済」を描いています
形はどうあれ、エロゲにもラノベにも同じ要素はありますよね
「ヒロインの悲劇を主人公が救済する」というものは
王道ですしね。だからこそ、親しまれる
その部分は老若男女変わらないと思うんですよね
ただ、好みが違うだけなのではないかと思うのです


「恋空」はその点においてわかりやすかった
感情表現も直接的ですしね。比喩表現も非常に少ないですし
汚い言い方にすれば「文字が読めればわかる」内容です
一般的な小説のように、考えることを要求しない、
まさに「考えるな感じろ」的な性格の作品です
中高生に受け入れられたのはその点なんじゃないかな、と
知識が必要無いですからね。私の弟も面白いといってましたし


結論としては、「ケータイ小説」も一個の作品としては有りだと思うのです
作者が書きたいように書いて、それが世間に受け入れられる
あざとさが合ったとは言えども、実際に面白いと言っている人はいるわけですしね
物語なんて書きたいように書けばいいと思います
文体だとか、作法だとか、そんなものは拘りの一つでしかないと思いますし
創作の原点は、「楽しいから」だと思いますからね

さて、何故こんなにも「ケータイ小説」について語ったか

それは、それこそがこの第三巻のメインテーマだからです
この三巻には色々な立場の人間が出てきます
ほんの二、三ヶ月ケータイ小説を書いてそれが本になるもの
長い間努力して小説を書いても報われないもの
本を作る側のもの
そしてソレを見る第三者
誰がどの配役かは読んでからのお楽しみ
まあ、ほとんど答えを言ってるでしょうが……


私は、桐乃というキャラクターが好きです
正直、ここまでやるのか、とも思いますが
それこそが彼女を構成する要素なんですよね
素晴しい、とさえ思います
ちょっと歪んでますけどね。まあ完璧な人間はいないと言うことで

最後に

伏見先生とかその担当編集がぼかしたり言及してたりしてるんですが
桐乃はやっぱり兄のことが好きなんじゃないかと思います、私は
意地を張ったり、拗ねたり、素直じゃなかったり
最後の方のエピソードとか、桐乃の本音が透けて見えるような気がします


★5です
ほんともー、色々考えましたね
待った甲斐があったというものです
次の巻が出るまでのんびりと待つことにします